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北海道八雲町秘湯おすすめの温泉【銀婚湯】宿泊時のお部屋、温泉、食事内容について

銀婚湯は、北海道二海郡八雲町にある、創業90年以上の歴史ある温泉宿です。
銀婚湯の大きな特徴は、北海道の雄大な大自然の中で、それぞれの季節を身近に感じ温泉を楽しむことが出来る事です。日本秘湯を守る会にも登録されている、まさに秘湯という趣満点の温泉旅館となっています。
この記事では、「銀婚湯」に宿泊した際のお部屋の様子、温泉、食事について紹介しています。

銀婚湯の歴史について

銀婚湯の所在地は、〒049-2566 北海道二海郡八雲町上ノ湯199(TEL 0137-67-3111)です。最寄り駅は落部駅(JR函館本線)になります。宿泊の際は、事前に予約をしておけば、1名からでも落部駅まで車で送迎してくれます。上の湯の温泉は、落部川の中流中洲より湧出する名湯として、先住民のアイヌ民族も疲れや怪我を癒すため入浴していた数百年の歴史があります。銀婚湯公式HPによると、江戸時代後期の弘化3年(1846年)には、すでに蝦夷日誌という記録物に温泉を紹介する記述があるそうです。

銀婚湯という名前は、源泉を採掘していた川口福太郎という人物が湯元を掘り当てたのが大正14年5月10日の大正天皇の銀婚の記念日と同日であった事と、川口福太郎夫妻の自身の銀婚式も重ねて、「銀婚湯」と命名されました。銀婚式とは、結婚後25年目を祝う祝賀式の事で、結婚後50年目を祝う金婚式に対し、金に次ぐ銀にちなんで称されています。
銀婚湯
宿は、深い自然の森の中に、木々に囲まれて建っています。

銀婚湯のお部屋について

銀婚湯のチェックインは13:00から可能です。チェックアウトは11:00なので時間に余裕をもってゆっくり過ごすことが出来ます。

宿泊用の部屋は、全部で21室あり、そのうちトイレ洗面台付が16室です。トイレなしの部屋は、廊下に共同のトイレを利用します。
各部屋と基本料金は以下の様になっています。1室2名~3名で宿泊の1人分の料金 (税込 消費税10%+入湯税150円)です。
旧館(内庭)  11150円 トイレ・洗面所共同
西館(川沿い) 15550円 トイレ・洗面所付
東館(内庭)  15550円 トイレ・洗面所付
新館(外庭)  16650円 トイレ・洗面所付
特別新館(外庭) 21050円 トイレ・洗面所付

下の写真は、東館のお部屋になります。
銀婚湯
窓際の絨毯張りスペースやカーテンなどは少々汚れやシミがあり、古い感じがありますが、お部屋全体の清掃はきちんとされており、特に不快ではありませんでした。室内の備え付け設備は、テレビ、冷蔵庫、お湯のポット、暗証番号式金庫です。
内湯の脱衣場には鍵付きのロッカーはなく、脱衣カゴしかないので、貴重品は部屋に備え付けの暗証番号式金庫で保管する事をおすすめします。

こちらは旧館の廊下の様子です。

旧館の部屋は、室内にトイレはありませんが、廊下に共同のトイレがあります。
銀婚湯

銀婚湯の温泉について

銀婚湯の温泉の泉質は、弱アルカリ性のナトリウムー塩化物・炭酸水素塩泉など源泉別によって成分が異なります。
源泉は5本あり、温度は60度〜95度と高温の為、一部の浴槽は地下水を一割程度加水して適温にしていますが、循環、濾過、塩素殺菌、水道水の混入は一切してません。
施設内にある内湯と、日中の明るい時間帯のみ利用できる広大な敷地内に点在する5か所(湯舟は6つ)の貸し切り野天風呂があります。野天風呂は宿泊者専用になっていて、日帰り客は利用する事が出来ません。野天風呂までの道のりは、林を抜けたり、つり橋を渡ったりと、秘湯の「隠し湯」の雰囲気が満点です。冬期間はお湯の温度を保つために2か所の野天風呂を閉鎖して湯量を保つ為に、3か所の開放のみとなります。

内湯

宿の中の温泉は、男性用、女性用、家族風呂の3か所になります。夜間の男女入れ替え時刻以外は、24時間利用可能です。
【露天風呂】
銀婚湯
その時のお湯の状態によっても異なりますが、基本的にはぬるめの湯温の時が多いです。周囲の囲いは少な目なので、山や川の流れる景色が見えたり、開放感が満点です。時には野鳥や、野生のテンなどが姿を見せます。

【家族風呂】
銀婚湯
家族風呂は、事前の予約などは不要で、入り口の鍵が開いていれば利用する事が出来ます。浴槽は一つで、家庭のお風呂よりは少し広いです。たまたまかも知れませんが、私が入った時は、浴槽内に髪の毛がたくさん浮いていて、あまり衛生的ではありませんでした。脱衣所にもカビている場所があったりします。浴槽のお湯の温度は丁度良いくらいでした。

野天風呂

【かつらの湯】
かつらの湯は、宿泊場所から一番近い野天風呂になります。
脱衣場として、大木をくりぬいて中に入れるようにしたものが設置されています。冬は、ここで服を脱いでから浴槽に入るまでかなり寒いです。靴を脱いだ後に履くためのビニール製のスリッパもありますが、冬は冷たいので、足を入れる前にスリッパを一旦お湯で流すと良いです。
銀婚湯

浴槽は大きな一塊の岩をくりぬいたものです。お湯はかけ流しで、湯の花が岩のいたるところに結晶しています。
銀婚湯

【トチニの湯】
トチニの湯は、宿泊場所から一番遠い野天風呂になります。最も源泉に近いため、温泉成分が一番濃厚です。つり橋を渡って川の対岸へ向かいます。冬は寒いので、帽子と手袋があると良いです。雨や雪でつり橋が濡れていると足元が滑りやすいので注意が必要です。
銀婚湯

「トチニの湯」の浴槽は2つあり、ひとつは大きな木の丸太をくりぬいて浴槽にしています。
銀婚湯
もう一つの、奥の湯「トチニの湯」からは、川のせせらぎが間近に見下ろせます。春先には、いろいろな鳥が水辺に集まって来ていました。
銀婚湯

【どんぐりの湯】
どんぐりの湯も、つり橋を渡ったところにあります。トチニの湯より下流の方に位置しています。入り口の木戸から脱衣所まで、少し階段の傾斜を下る為、足元にはご注意下さい。
銀婚湯

食事について

私は、数回宿泊していますが、メニューについては、毎回朝夕ほぼ同じになっています。私が宿泊したことのある季節が、11月、2月、3月と、冬の季節だけなので、もしかすると夏になると変わるのかも知れません。
食事の場所は、1階の食事処になっており、宿泊する部屋ごとに案内されます。すべて半個室に仕切られているので、落ち着いて食事が出来ます。
銀婚湯

【夕食】
先付け、前菜、刺身、焼き物、煮物、鍋の具材は事前にテーブルにセットされています。天ぷらはテーブルに着いてから運んできてくれます。
銀婚湯
夕食のメインの鳥すき鍋に使う玉子は、近所の松永農場の健康な鶏が産んだ玉子で、黄身がレモン色なのが特徴です。ご飯とみそ汁、漬物、デザートは、自分で係の人を呼んで持ってきてもらいます。

【朝食】
朝食も、過去数年以内の宿泊では全く同じメニューでした。ご飯とみそ汁以外は事前にテーブルにセットされています。
銀婚湯
朝食のみそ汁の具が銀杏草(みみのり)という海藻で、銀婚湯のこだわりになっています。説明によると、3月の初旬に手のしびれるような寒さの中、地元の浜で採取してくるものだそうです。磯の香りが強いのが特徴でした。

銀婚湯の総合的な感想

私が銀婚湯で一番気に入っているところは、日帰り客があまり多くなく、宿泊者用の貸し切りの野天風呂もあるので、混雑を気にせずゆっくり静かに入浴できることです。
ただ、野天風呂は申し込んだ順番で木札をもらって入るため、希望者がいっぱいの時は希望の湯に入れない場合もあります。出来たら、皆さんが譲り合いの心で利用されるといいと思います。特に決まりはないのですが、私は野天風呂を利用する時は、なるべく1時間を目安に場所を譲るように心がけています。

また、宿泊者専用のチェックイン13:00、チェックアウト11:00と時間に余裕がある事と、夜間の内湯も男女の入れ替えに要する30分程度の時間以外は、24時間入浴できることも気に入っています。夜日が暮れてから露天風呂につかると、昼間とはまた違ったしんとした静けさがあって、星や月が頭上にあり、川の音、風の音、湯の流れる音が心地良いです。宿の人の話によると、夏にはホタルが見える事もあるそうです。

野天風呂に関しては、冬場でも温泉に入ってしまえば汗ばむくらい身体が暖まって問題ないのですが、入浴前に服を脱ぐ場所が外の脱衣場の為、お湯に入るまでと、宿に戻るまでの道のりが、その時の天候によってはとても寒いです。
また、野天風呂に向かうまでの道は冬は雪が多く、つり橋を渡る必要もあるため、滑ったり転倒したりしないよう、特に雪道を歩き慣れていない方や、足腰の弱い方などはご注意ください。冬場は、宿で長靴を貸してくれるのですが、自分の靴の方が歩きやすければ、履き慣れている自分の靴で移動する事も良いと思います。
また、私は夏場は行った経験はないのですが、夏は虫が多く、蚊やアブ、蜂などもいるようなので注意が必要です。

あとは、不満というほどではありませんが、食事については毎回同じメニューなのと、ほとんどの料理が事前に作ってセットされたものなので、焼き物や煮物などは冷たくなってしまっている事です。ですが、美味しくないという事ではなく、きちんと地元の食材を使って工夫して調理されたものだという事は伝わるので、毎回ありがたくいただいています。

施設内は、古さがありますが、全体に清潔にされていて不快な事はありませんが、冬でも時々廊下にカメムシがいたりするので、苦手な方は廊下では下に注意して歩くことをおすすめします。

私は銀婚湯には何度か宿泊していますが、また訪れたいと思う温泉宿のひとつです。

  • この記事を書いた人

kinoko

キノコのブログ「キノコの家」では、マイホーム探しの過程での経験した事や、住宅に関する情報、日々の生活の中で少し役に立つ情報、自分が乳がんになった経験などを紹介しています。

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