私たち夫婦は、札幌市内で建売住宅の購入を検討していた2020年11月に「アシストホーム(assist home)」の建売住宅を見学しました。
この記事では、実際に建売住宅を見に行って説明を受けた内容と、そこで感じた住宅性能や2階リビングルームの間取りについて、購入前に検討した方が良いと思う事についてまとめました。
担当してくれた係の人は、いろいろと丁寧に説明してくれて、誠実で印象も良かったです。
アシストホームについて
アシストホームは、札幌市北区新川に本社がある住宅建築業者です。創業は1992年で、2022年(令和4年)2月で創立30周年を迎えます。建築棟数は約1000棟で「高気密・高性能住宅」という所にこだわりがあります。
住宅の建築や販売だけでなく、購入後のリフォームやリノベーション、賃貸、売買についても、自社の住宅に関して一貫したサポートを行っています。見学した時にも説明されましたが、もし新築の住宅を購入し、数年で事情があって家を手放すような場合も、アシストホームが一貫して売却までお世話してくれるとの事でした。
アシストホームは、「SDGs(エスディージーズ:持続可能な開発目標))」と言う、2015年に国連サミットの中で決められた、国際社会共通の目標に取り組んでおり、その一環として環境保護の観点から会社案内パンフレットを制作していません。会社情報などは、すべてアシストホームの公式ホームページ上(https://www.assisthome.co.jp/)で確認できるようになっています。
アシストホームの住宅は気密性が高い高性能住宅
アシストホームの住宅のすぐれたところは、自社のホームページにも記載されているように、気密性が高い事です。
気密性と住宅性能を数値で示す方法に、UA値とC値というものがありますが、アシストホームの住宅は、全棟UA値0.26以下、C値0.5以下となっています。
UA値(外皮平均熱貫流率)とは、住宅の内部から外部へ逃げる熱量を外皮(家を覆う外側の部分)全体で平均した値です。値が小さいほど熱が逃げにくく、省エネ性能が高い住宅になります。
現在、省エネ法で最高水準の基準とされているUA値が0.18、北方型住宅の基準値が0.34以下なので、アシストホームのUA値0.26以下という数値は、十分に高性能な住宅であることがわかります。
C値(相当隙間面積)とは、建物全体にある隙間面積(㎠)を延床面積(㎡)で割った数値で、建物の気密性能を表します。現在の省エネ法からはC値の指標は削除されていますが、平成14年までは、寒冷地でC値2.0c㎡以下、その他の地域では5.0㎡以下が気密性能を表す指標とされていました。アシストホームの住宅は、C値0.5以下なので、気密性も良いことがわかります。
気密性に関しては、見学の時に実際に試してくれたのですが、24時間換気システムの換気量のダイアルを強めに設定しただけで、玄関のドアが開けられなくなるほどの高い気密性でした。
全棟UA値0.26以下、C値0.5以下というのは、建売住宅であっても注文住宅であっても共通のようです。見学の時の担当者は、アシストホームの住宅は、建売住宅は注文住宅より性能が悪いという事ではなくて、住宅性能には大きな格差はないと話していました。
アシストホームの建売住宅は収納が充実
アシストホームの建売住宅見学で、住宅性能の次にいいと思ったところが収納スペースがたくさんあるところでした。便利だと思った収納スペースについてピックアップしてみます。
・玄関の外にあるドア横の物置
・玄関内にも収納スペースあり
・ランドリースペースにも棚と物干しがあり、パネルヒーターもあって早く乾きます
・各部屋の収納は、ウォークインクローゼットの他に下の写真のようなタイプもあります
・リビングルーム横にも扉付きの収納スペース
向かえ側のキッチン内にも、吊戸棚などの収納スペースがあります。
アシストホームの建売住宅の間取りの傾向
アシストホームの建売住宅の間取りについて、特徴的な部分をまとめてみます。
リビングとキッチンが2階にあることが多い
アシストホームの建売住宅は、多くの場合2階にリビングを設ける間取りになっています。
それについて、担当者に聞いた理由を下にまとめました。
【アシストホームの建売住宅のリビングルームが2階になっている理由】
・札幌市内の土地は、住宅が密集している場合が多く、リビングの日当たりなどを優先して考えると必然的に2階リビングと言う間取りになる
・もし仮に1階にリビングを置いた場合、リビングの窓が外の道路に面してしまい、結局カーテンを閉め切って生活しなければプライバシーが保てないケースが多いので2階リビングになっている
・土地の形状や方角によっては、1階のリビングだと日当たりが不十分な場合でも、2階であれば高さがあるので明かりが入って来やすくなる
などの理由から、アシストホームの建売住宅は2階リビングになっている事が多いそうです。
現在公開されているモデルルームの企画型住宅「ILOイーロ」も、基本形は1階にお風呂、トイレを設置し、2階にリビングルームを設置しています。
もし、注文住宅をオーダーするのであれば、土地の広さや周辺環境の条件があえば1階にリビングを置く事は可能とのことでした。
トイレ、浴室、ランドリースペースなど水回りが1階にある
アシストホームの建売住宅は、2階リビングという間取りであっても、トイレ、浴室、ランドリースペースは1階にある事が多いです。
多く見られる間取りのパターンは、1階に収納付きの部屋が1つ、トイレ、浴室、ランドリースペースがあり、2階にリビングルームと他に部屋が1つか2つあるというものです。
担当者によると、建売住宅の場合は特に、間取りを共通にすることで、コストの削減をしているので、土地の方角によるパターンがいくつかあるだけで建売住宅の間取りのパターンはほぼ共通との事でした。
2階リビングとキッチン、1階に水回りという間取りの良い点と不便な点
2階にリビングとキッチン、1階にトイレ、浴室、ランドリーなどの水回りがある間取りについて、当時私が感じた良い点と不便だと思う点をあげてみます。
【2階リビングが良いと思った点】
・リビングの日当たり、見晴らしが良い
・リビングの窓が道路より高くなるので、外の道路から覗かれる事がない
上の写真はキッチンからリビングを写したものですが、窓が2階にあるのでカーテンをしていなくても外にいる人と視線が合う事はありません。
【2階リビングが不便だと思った点】
・買い物するたびに、食品など重い荷物を持ってキッチンまで階段を上がる必要がある
・洗濯と食事の支度を同時にする場合、2階のキッチンと1階のランドリースペースと作業の度に階段の上り下りが発生する
・トイレ、お風呂、来客、宅配など1日に数回は必ずリビングから階段の上り下りが必要
・年を取った両親が遊びに来ても、リビングまで階段を上れない
上の写真は、玄関前から2階に上がる階段です。キッチンはこの階段を上った所にあります。
浴室とランドリースペース、トイレも階段を下りた1階にあります。
2階リビングの場合、毎日何度も階段を上り下りする事になると思うので、体力的に生活が可能かどうか考えてみることをおすすめします。
アシストホームの建売住宅を購入しなかった理由=2階リビングルーム
実際に見学したアシストホームの住宅は、立地条件や周辺環境、予算面でも良かったのですが、2階にリビングルームがあるという所が一番のネックになりました。私たちは40代と50代の夫婦ですが、1日に何回もの階段の上り下りに、この先何年耐えられるか自信がなかったからです。
毎回買い物の度に荷物を持って2階まで上がる、食事の支度と洗濯を同時にする場合、洗濯機のブザーが鳴るたびに1階と2階を往復、外での除雪中にちょっとキッチンまで飲み物を取りに行くだけでも階段の上り下り、リビングにいても郵便や宅配が来るたび階段の上り下り、そんな階段の上り下りが常に必要な生活が、自分たちは年々年を取っていくのにずっと続くと考えると、今ですら膝や腰が痛いのに、いつまで体力が持つか不安でした。
私たちが見学に行った同じ時期に、同じ並びの建売物件を見学していた60代のご夫婦が2階リビングの間取りの建売住宅を購入されたようでしたが、その後の生活がどうなったかは気になるところです。
もし、家族みんなが健康で、足腰も丈夫な家族であれば、2階リビングでも何も問題はないとは思いますが、住んでいる家族が大丈夫でも、頻繁に来るお友達や親戚の中に足の不自由な人がいたりする場合も、2階のリビングに上がる事は困難だと思うので、2階リビングの家は、実際に生活する事をいろいろと想像してみてから購入する事をおすすめします。