鯛のあら炊き(かぶと煮)は、鯛の頭や骨を甘辛い醤油だれで煮込んだ料理です。素材は安いですが、とても美味しく出来ます。
ですが、煮魚の調理法は、魚を入れた煮汁でそのまま煮詰めていくので、事前にきちんと魚の臭みを取り除く下処理をせずに煮込むと仕上がりも生臭くなりがちです。
この記事では、鯛のあら炊き(かぶと煮)の作り方と、簡単に魚の臭みを取る下処理(霜降り)の方法をまとめました。
鯛のあら炊き(かぶと煮)の材料
・鯛のあら 1尾分(この記事の写真では400g)
・生姜 1~2cmを数枚にスライスする
・ニンニク 1個を数枚にスライスする(お好みで、なくてもよいです)
・水 150~200ml(魚の量で加減)
・酒 100ml
・みりん 50ml
・砂糖 大匙2~3(黒砂糖でもよいです)
・醤油 大匙2~3(煮始めには加えないで後から入れます)
事前に魚のあらの下処理をする
魚のあらの生臭みを取る下処理を霜降りとも言い、煮る前の魚にお湯をかけ、汚れや臭みを取り除き、冷水で締める工程を言います。鯛のあら炊き(かぶと煮)も、たれで煮込む前にはこの霜降り処理を行う事をおすすめします。
あらの下処理(霜降り)をする手順
①鯛のあらは、大きな部分は適当な大きさに切り、目立つ血や汚れを洗い流します。うろこは後から行う霜降りの工程でもはがれてきますので無理して取らなくても大丈夫です。
②汚れを取ったあらをボールか鍋に入れ、軽く塩をして15分ほど置きます。その間にお湯を沸かし、沸騰してから火を止めて5分ほど放置したお湯をあらの上から静かに回しかけます。沸騰直後のぐらぐら煮立った熱湯をかけると、魚の身や皮がはじけてしまうので、沸騰後に火を止め少し置いたお湯がちょうど良いです。
③鯛が全体にふっくらして白っぽくなったら、お湯を捨てて冷水で洗います。その時、鱗が浮いてくるので、付着した血などと共に鱗も取り除くようにします。
以上が霜降りの工程です。
鯛のあら炊き(かぶと煮)の作り方
あらの下処理(霜降り)ができたら、煮汁で煮ていきます。
①煮汁を沸かす
生姜とニンニクはスライスし、水(150㎖)、酒(100㎖)、みりん(50㎖)、砂糖(大3)と一緒に鍋に入れ沸騰させます。
*この時点では醤油はまだ入れないで下さい。
②煮汁が湧いたら鯛のあらを入れ、アクを取る
煮汁が湧いたら一旦火を止めて、下の方から骨やカマなどを入れ、煮崩れしやすい頭の部分は一番上にのせ火にかけます。
写真の煮汁が茶色く見えるのは、黒砂糖を使用した為で、この時はまだ醤油は加えていません。はじめから醤油を入れて煮ると、身が締まってしまいふんわりしません。
沸騰後に弱火にして5分ほど煮るとアクが出るのでスプーンなどで取ります。下処理で取り切れなかった鱗なども、浮いてきたら取ります。
③落し蓋をして煮る
大体アクが出なくなったら、アルミホイルやクッキングシートなどで、落し蓋をして、弱火で20分煮込みます。吹きこぼれ防止にアルミホイル中央に1cmほど切り込みを入れると良いです。
④落し蓋を外し醤油を加えて煮詰める
鯛の身が全体にふっくらとしたら、落し蓋を外して、醤油(大3)を加えて、水分が2/3程に煮詰まるまで弱火で煮込んでいきます。
煮詰まってくると、鯛が煮汁から出てくると思うので、時々スプーンなどで煮汁をかけるか、鍋を回して煮汁が回るようにします。途中煮汁の味を見て、必要であれば砂糖か醤油を追加します。
鯛のあら煮の完成
煮汁の水分が2/3程に煮詰まれば完成です。
鯛のあらとゴボウなどの根菜を一緒に煮込んでも良いようです。