乳癌関連

乳がん確定診断までに行った検査と事前の準備や服装などのポイント、セカンドオピニオンにかかった検査と費用のまとめ

私は、2022年8月に乳がんと診断されました。

自分で乳房にしこりを見つけた後クリニックを受診し、いくつか検査をして乳がんと確定しましたが、確定診断までに必要な検査にかかった費用は、健康保険の3割負担でも数万円単位と高額だったので、費用を準備する際の目安になればと思いまとめました。
また、私が受けた検査で事前にしておいた方がいいと思った準備や検査に行く時に適した服装や注意点、検査の流れや痛みなども記載しました。

私の場合は、乳がん確定診断後に大きな病院へ転院する流れとなり、セカンドオピニオンのための手続きと費用も発生したので記載しています。

確定診断までにかかった費用の全ての内訳は、記事の一番下にまとめて記載してあります。

乳房にしこりを見つけてから乳腺クリニック受診までの経過

2022年8月に、私が乳がんと診断された時の腫瘍の大きさは、エコー上で37×30×20㎜でした。

まず、しこりの発見からクリニック受診までの経過をまとめます。

しこりの発見≫2022年5月頃から入浴中に体を洗う時など、自分でもなんとなく乳房の一部分が盛り上がっているような感じがあったが、あまり深刻には考えず放置していた。
また、世の中では感染症の流行があり、病院が忙しくて大変だという報道が頻繁にされていたので、なんとなく迷惑な気がして病院に行く気がせず、しこりの自覚から病院受診までの期間が開いてしまった。

クリニック予約≫2022年7月上旬頃から乳房の一部が盛り上がった感じが急に大きくなり、ちょうどその頃、夫の職場から家族対象の乳がん検診の助成金の案内が送られて来たこともあって、札幌市内の乳腺外科クリニックに乳がん検診の予約をした。予約した検査項目は、エコー(超音波検査)、マンモグラフィー検査。

クリニック受診≫2022年7月27日にクリニック受診し、乳房エコー(超音波検査)検査、マンモグラフィー検査、触診検査を受けた。後日、針生検を行い結果で乳がんの診断が確定。

乳がん検診については、しこりなどの症状があれば保険診療の適応になりますが、何も症状がない場合は自費検診となるため保険診療より費用は少し高くなります。そのクリニックでは、自費診療の検診が3種類あり、費用は以下の通りでした。
【Aコース】触診+マンモグラフィ+エコー9500 円
【Bコース】触診+マンモグラフィ 7500 円
【Cコース】触診+エコー 7000 円

私は、予約した時点では自費検診のAコースを予約していたのですが、診察後にしこりがあった為に保険診療になりました。
かかった費用は3600円(初診料含む3割負担)でした。

【乳がん検診】乳房エコー、マンモグラフィーについてと服装や注意点

乳がん検診では、しこりの自覚などがあってもなくても、多くの場合乳房エコー検査とマンモグラフィーは行うと思います。
乳がん検診に行く前の準備、服装についてと、2つの検査についてまとめます。

事前の準備と服装

事前の準備≫乳がん検診の際、はじめに看護師さんの問診がある場合が多いので、しこりなど気になる症状があれば伝えます。問診では、しこりなどの症状がいつからあるか、痛みや分泌物の有無など詳しい状況を聞かれますので、日付などはっきりわかればメモなどして行って伝えるとスムーズです。
エコーでは乳房だけでなく脇の下にも機械をあてるので、脇の下のムダ毛など気になる場合は処理していくといいです。私は脱毛していたので大丈夫でした。

服装≫検査前には、病院の用意した検査着に着替える病院が多いと思います。エコー検査もマンモグラフィーも、上半身だけの検査なので、上の服だけ着替えれば済むのですが、ワンピースなど上下つなぎの服を着ていくと、下の衣類まで着替えないとならなくなるので、検査の時は、上下に分かれた服装の方が着替えが簡単だと思います。
ロッカーがない病院だと、脱いだ自分の衣類は、袋などを渡されて自分で持ち歩く事になるので、受診の時に荷物が多いと移動が大変になりますから買い物などがある場合は帰りにした方がよさそうです。

乳房エコー検査・マンモグラフィー検査

【乳房エコー検査】
乳房エコー検査は、乳房に直接、超音波の出るプローブをあてて乳房内の構造をテレビモニターで映し出す検査です。
検査する場所は、両方の乳房の他、両わき、鎖骨の周辺、首の横なども見る時があります。特に痛みなどは伴わない検査で、受ける側はベッドに横になってじっとしているだけですが、プローブをあてる時に使うゼリーが冷たく感じる場合があります。脇の下を見る際は脇のむだ毛があると恥ずかしいかもしれませんが、毛があっても検査自体には問題ないようです。

【マンモグラフィー検査】
マンモグラフィー検査は、乳房のレントゲン(X線)検査です。組織を薄くすることで腫瘍など写りやすくするため、 乳房を圧迫して薄くしながら撮影します。腫瘍、石灰化などの異常がわかります。左右、2方向(2回)の撮影が一般的なので、合計4回違う方向から乳房を挟んで撮影します。
検査中は、機械と一体になったプラスチック製の板で乳房を強めに挟むため、乳房に痛みがありますが、挟んでいる時間は1回につき長くても1分以内なので、なんとか我慢できます。
注意点は、乳房を強く挟むため、場合によっては乳頭から出血や分泌物などが出る場合があります。服や機材を汚してしまう可能性があるので、はじめから症状として出血などがある場合は、事前に技師さんに伝えておくと、ふき取り用にガーゼなど渡してくれます。
私もマンモグラフィー後にしこりのある側の乳頭から垂れるように出血があり機械と検査着を汚してしまい、自分では気が付かなくて技師さんがティッシュペーパーで拭いてくれました。

【吸引生検】細胞診、組織診についてと服装や注意点

私の場合は悪性でしたが、乳房のしこりは、多くの場合が良性なのだそうです。
エコー検査やマンモグラフィー検査でしこりが発見されても、その時点では良性か悪性かの確定は医師でも正確にはできないので、確定診断の為には、直接しこりの中の細胞を採取して検査する事が必要になります。

細胞を直接採取して検査する為には、針などを腫瘍に刺して組織を取って来る方法と、皮膚を切開して手術で組織を採取する方法がありますが、大体は細胞診や組織診(生検)と呼ばれる腫瘍に針を刺して組織を採取する検査をする場合が多いと思いますので、ここでは生検について記載します。

事前の準備と服装・下着

事前の準備≫針生検をした後は、その後の出血予防のために刺した部分をテープやバンドで圧迫する事が多いです。検査当日は入浴やシャワーが禁止になると思うので、検査の前には入浴かシャワーを済ませておくといいでしょう。検査の姿勢は、患部の側の腕を上げる姿勢になるので脇の下も見えてしまします。エコーと同様、脇のむだ毛の処理が必要と思う方は処理した方がいいと思います。

服装≫エコー検査などと同様に上半身だけの検査の為、ワンピースタイプではなく上下分かれた服装が便利です。検査後は止血の為の圧迫や痛みなどで腕が上げられなくなる事があるので、かぶるタイプの服ではなく、前開きのボタンやチャックの服が便利です。

下着≫検査後は患部に厚くガーゼが当たったり、ブラジャーのホックを止める際に腕を動かす事が大変かもしれないので、ブラカップ付きのインナーなどが便利です。私は、検査後はガーゼとバンドでの圧迫になった為ブラジャーは付けられずに帰宅しました。

細胞診・組織診(針生検)

【細胞診】
細い注射針を腫瘍内に刺して、吸引して細胞を採取する検査を穿刺吸引細胞診と言います。検査後は組織をプレパラートに吹きつけ、顕微鏡で観察し良性、悪性の診断をします。とても細い針で行い、数分で終了するので麻酔は行いません。痛みや出血のリスクは組織診より少な目ですが、採取する組織の量が少ない為良性か悪性かを診断できない場合があり、その場合は組織診が必要になる可能性があります。

【組織診(針生検)】
組織診(針生検)は、太い針を腫瘍に刺し組織片を採取して顕微鏡で観察し診断します。採取に使う針は、菜箸かシャープペンシルくらいの太さがあるので、局所麻酔が必要になります。組織診断の為、病変が確実に採取できれば確定診断が可能ですが、診断が困難な場合は腫瘍を摘出することで最終診断を行います。

私は、組織診(針生検)を受けました。流れを以下にまとめました。
①上半身を病衣に着替えベッドに横になって待ちます

②血圧などの測定をします

③検査の針を刺す場所を決める為、患部の状態をエコーで確認されます

④皮膚を消毒し、その周囲に滅菌されたカバーがかかります

⑤局所麻酔の注射を数か所、方向を変えて刺されます

⑥局所麻酔が浸透したら、エコーで腫瘍の位置を見ながら組織採取用の針を刺し、針を進めながら痛みの有無を聞かれ、痛ければ局所麻酔を追加されます

⑦針が腫瘍の位置まで達したら、組織を吸引しながら採取が始まります
⇒吸引採取の時は、数回バチン、バチン、バチン、という感触があります。その時は、それまで局所麻酔が効いていても、多少の痛みがありました。

⑧組織採取が終了したら、数分間止血の為に患部を圧迫されます。止血を確認し、針をさした部分の傷にテープを貼って消毒薬を拭き取り、厚めのガーゼと弾性のテープで更に上から圧迫されます。血圧が高かったり、出血がある場合は胸部全体を固定するバンドで巻く場合があります。

⑨着替えたら終了です

下の写真は針生検を終え帰宅後です。バンドで1日胸部を固定しました。
乳がん針生検

翌日はバンドを自分で外します。出血がなければ圧迫のガーゼも外してシャワーに入れます。
乳がん針生検

数日後は生検部分の内出血が黄色くなりました。
乳がん針生検

組織診(針生検)の費用は22140円(3割負担)、内服の痛み止め処方が600円でした。

乳がん確定からセカンドオピニオンまで

組織診(針生検)の検査結果が出るまでに祝日を含んだこともあって、私の場合は10日ほどかかりました。
結果は悪性(乳がん)だったので、追加の採血を行い、保存されている組織にも検査項目が追加になりました。癌の中にもいろいろタイプがある為、癌と確定したらその後詳しい癌のタイプを検査する流れになっているようです。
追加された費用は、採血と組織検査項目の追加で11880円でした。

私が乳がんの確定診断をされたのはビルの中のクリニックだったので、治療の過程で手術や抗癌剤投与の為のポート手術など入院が伴うような時には、連携している病院に移って治療を受ける必要がありました。他にも、骨シンチやCT、MRIなど、クリニックに機械がない検査が必要な時は、連携の病院に行って検査を受ける必要がありました。

私は、出来れば同じ病院で一貫した治療をしたいと思ったので、癌の治療はそのクリニックではなくて、手術、抗癌剤、放射線、検査、その後のフォローをすべて一か所で行える病院への転院を希望しました。

クリニックでは、紹介状を書くにあたり、現時点での癌の進行度合いも検査しなければ、希望した病院が受け入れてくれるどうかわからないので、まず癌の転移があるかどうかまでは検査してから病院を移りましょうという事になり、追加で骨シンチと造影CTを行う事になりました。
骨シンチもCTの機械もクリニックにはなかったので、提携先の病院に行って検査する事になり、別の日に日程を組みました。

骨シンチ、造影CTの費用は23450円(初診料、診療情報提供料含む3割負担)

乳がん確定診断までにかかった検査費用とセカンドオピニオンにかかった費用のまとめ

・触診+マンモグラフィ+エコー≫ 3600円(しこりという症状があったので保険3割負担の金額。自費診療の場合は9500 円)
・組織診(エコー下針生検)  ≫ 22140円
・組織診後の痛み止め     ≫ 600円
・組織診検査結果説明の受診+採血+追加検査≫ 11880
・骨シンチ+造影CT検査+初診料・紹介料≫   23450円
・骨シンチ、造影CT検査の結果説明の受診≫   380円
・転院の為の紹介状をもらうための受診+紹介状料≫ 1800円

上記は、私が乳がん確定診断と、セカンドオピニオン受診までにかかった費用のまとめですが、別の病院に転院するまでに追加でかかったのは紹介料、別の病院に検査に行く時間と交通費、紹介状料の数千円でした。
転院後に、再度採血やエコー、マンモグラフィー検査など取り直されたので、それを加えると2万円程余計にかかった事にはなりますが、それでも、現在は自分が納得いく病院で治療に専念できているので、クリニックから今の病院に転院して良かったと思います。

癌の治療は、人によっては長くかかりますし、命に関わる問題でもあるので、治療を受ける病院を決定する事を迷うようであれば、セカンドオピニオンを受けてみて自分が納得した病院に決めることがおすすめです。

 

  • この記事を書いた人

kinoko

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